自己破産・管財手続と同時廃止手続

2020年5月14日

自己破産手続は、『管財手続』と『同時廃止手続』とに分類されます。
今回は、両手続がどのようなものかについてご説明させていただきます。

〇管財手続

破産手続とは、破産者に属する一切の財産を換価処分し、確定した債権者に公平に配当等する手続ですので、裁判所は、破産手続開始決定と同時に『破産管財人』を選任し(破産法31条本文)、破産管財人をして財産の換価、配当等の業務を進めていくことになります。

* 破産管財人については、こちらの解説をご確認ください。

このように、裁判所によって破産管財人が選任され、破産管財人が業務を行う破産手続のことを『管財手続』といいます。この『管財手続』が、破産における原則的な運用形態になります。

なお、例えば東京地方裁判所などでは、管財事件を更に『通常管財事件』と『少額管財事件』とに分けて、両者で差異を設けた運用をしている裁判所もあります。私の主観にはなりますが、水戸地方裁判所及び水戸地裁管内の各裁判所(水戸地方裁判所土浦支部など)でも、東京地方裁判所と近い形での運用がなされているという印象です。)。

〇同時廃止手続

上記のとおり、破産手続においては、『管財手続』を原則的な運用形態としています。
しかし、個人の自己破産においては、そもそも破産者が換価処分すべき財産を有していないことも多く、わざわざ破産管財人を選任しても破産管財人に行わせるべき業務がないという場合もあります。
そこで、破産法上、「破産財団(破産者の財産であって、破産手続において破産管財人にその管理処分権が専属するもの。破産法2条14項)をもって破産手続の費用を支弁するのに不足する(=配当をすることができない)と認めるとき」は、破産手続開始決定と同時に破産手続廃止決定がなされるものとされています(破産法216条1項)。
このように、破産手続開始決定と同時に破産手続廃止決定がなされる手続のことを、『同時廃止手続』といいます。

『同時廃止手続』では、破産手続開始決定と同時に破産手続が終了することになりますので,破産管財人が選任されることはありません。

破産手続において『同時廃止手続』はあくまでも例外的な運用形態という扱いですが、実務上は、個人の自己破産(消費者破産)の場合にはむしろ『管財手続』よりも『同時廃止手続』による場合のほうが多いとされています。

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