自己破産・破産管財人について

2020年5月12日

破産管財人とは、「破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者」をいいます(破産法2条12項)。通常は、当該破産事件とは利害関係のない弁護士が選任されることになります。

裁判所は、破産手続開始決定と同時に、破産管財人を選任します(破産法74条1項)。
破産管財人は、全ての破産手続において選任されるわけではなく、いわゆる同時廃止事件(破産者が換価等すべき財産を保有しておらず、破産に至った経緯等についても特段の問題がないと認められるような事件)では選任されません。

破産管財人は、裁判所の監督のもとで(破産法75条1項)、主に以下のような職務を行います。

・破産財団帰属財産(破産者が有していた財産)を適正・迅速に管理、処分すること。
・破産債権者から提出される破産債権を公正に調査し、確定すること。
・財団債権の弁済、破産債権の配当をすること。
・個人破産の場合、自由財産拡張に対する意見、免責に関する意見を述べること。

上記はあくまでも破産管財人が行う職務の中核というべきものであり、実際には、破産管財人は事件の清算に向けた様々な職務を担当することになります。

また、破産法上、破産管財人には破産財団帰属財産の管理処分権(破産法78条1項)をはじめ多くの権限が与えられています。

破産手続において破産管財人が果たす役割は非常に大きく、まさに破産管財人が中心となって事件処理が進んでいくということができます。
そのため、破産管財人には、その職務について善管注意義務が課されており(破産法85条)、高度の公正性を保ちながら数多くの職務を適正かつ迅速に処理してくことが求められています。

当職も、これまでに破産管財人・破産管財人代理として多くの法人破産・個人破産事件を担当させて頂きました。破産管財人としての経験は、当職が破産者代理人として法人破産・個人破産の申立てを行う際にも活きていると実感しています(破産管財人を経験することで、破産事件において裁判所や破産管財人が重視しているポイントが明確になり、当該ポイントを明確に意識した事件処理が可能となります。)。

当職は、ご依頼を受けた個人破産・法人破産の申立てに際しても、破産管財人としての経験を基に依頼者にとって負担が少なくなるような適正な準備・対応を心がけています。

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